TPP交渉決裂、この会合で米国は最初からまとめる気がなかった

 本日まで、シンガポールで4日間の日程で開かれていたTPPの閣僚会合が合意せずに閉幕した。その最大の要因は、米国が頑なな姿勢に終始しているため。

 ことの成行きを見ていると、今回の交渉で米国は本気でまとめる気がないことがわかる。

 日米に関しては、関税交渉が主要議題であるが、日本には関税撤廃の例外を認めず、自らは自動車関連関税維持を一歩も譲ることがない姿勢。これが最後まで続いた。

 これではまとまるわけがない。というより、今回は最初からまとめるつもりがない。というのも、日本が妥協すれば、米国も何からかの譲歩をしないわけにはいかないが、そこには、UAW(全米自動車労組)が控えている。

 UAWは民主党の中核の支持母体であり、彼らが関税引き下げを許すわけがない。それどころかTPP自体にも反対している。

 米国では今秋に中間選挙が行われるため、今回の交渉で米国サイドが妥協することなど最初からありえないのだ。

 日本がいくら妥協の余地があるといったところで、相手がそうした構えでは交渉にならない。それを承知で、フロマン米通商代表部は臨んでいた。

 よって、今回物別れに終わっても、終了後の記者会見では失望もしていなければ怒った顔も見せていない。もちろん甘利大臣のように真剣に取り組んでいないため、疲れてもいない。ただ、事務的に日程を消化したというスタンスである。

 仮に、米国が本気でTPP交渉に臨めば落としどころを定めてくる。交渉を有利に運ぶために、株式市場や為替市場を使うなどあの手この手で外野からも攻めてくる。マーケットは戦略武器であるため、彼らがこれを使わない手はない。

 だが、今回の物別れは当初からのシナリオであるため、マーケットにそうした動きはまったく見られなかった。これは想定されたこと。

 結果、TPP交渉はしばらくズルズルいきそうだ。当初から、今年中の合意も疑問と見られていたほど交渉分野は多岐にわたり、各国の利害調整も入り組んでいる。

 そう簡単に進むほうがおかしい。また、日本は日本で、変に妥協すれば安倍政権自体もたなくなる。

 それでも、いずれは米国も本気を出してくるだろう。その時は、マーケットは注意深く見ておく必要がある。

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