当分の間、改善の見込みは立たない中国大気汚染

今月に入って連日、中国での凄まじい大気汚染が報告されている。前回はハルビ ンなどの北部地方がメインだったが、今回は上海・天津などの沿岸部でかなり広範 囲にわたって報告されている。

PM2.5の数値も500前後未曾有の数値で、学区が休校になったりしている。日本 では50を越えれば警戒警報が出る。

 それにしても今年の状況はちょっと記憶にない。以前当ブログで北京を訪問した際 のことを報告したが、過去何度も訪れた中国のなかで、その時以外には、上海やほ かの地域で大気汚染が目に見えてひどいと感じたことはほとんどない。

 もっとも季節てな要因も大きいのようだ。大気汚染物質の要因としては、排ガスや 工場排気、暖熱が主要因とされているが、この中で、冬場限定で多いのが最後の暖 熱だ。つまり練炭の使用。また、石炭による火力発電の影響も大きい。

 それに加えて、増加の一途をたどる自家用車普及によって規制の緩い排ガスは増 加する一方だ。

 こうしたことを考えると、中国の大気汚染は今年で終わる見込みはない。もっとも、 産業革命後の英国やドイツも粉塵で大気がおおわれるほどの環境汚染をもたらして いた。

 わが国も高度経済成長期には四日市ぜんそくや水俣病などに代表される被害をも たらした。経済成長と環境悪化はセットとなっている。

 中国上層部も環境改善に取り組んでいるが、おそらく効果は期待できない。なぜな ら、すでに小手先で通用するレベルではなくなっている。また、いくら上意下達しても、 日本と違って中国の現場は言うことを聞かない。

 10年ほど前に、経済特区を視察した際、現地のコーディネーターに、公害問題につ いて尋ねた。当時から工場の排ガス基準は厳しくなっており、除去設備がないと稼働 や新設が認められなかったりしていた。

現実に定期的に検査も行われていた。その点、確かに工場では有害物質除去装置 を備えていた。だが、それを稼働させるのは検査の時だけで日常は無視して操業して いるという話だった。

 もちろん費用を抑えるためだ。これでは仏作って魂入れずの世界だ。それが中国の 現場の動きだ。目先の利益が第一である人々には環境問題など後回しだ。中国の市 井人や中小企業経営者に「公」の概念など持ち合せていない。

 ということは、中国の大気汚染問題は、当分の間、悩まされ続けるということになる。 まだ始まったばかりともいえる。ビジネスや観光で訪れる際は対策を怠らないように。

コメントを残す

サブコンテンツ

カレンダー

2013年12月
« 11月   1月 »
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

このページの先頭へ