アブラハムは氷山の一角、香港ガイドからの相談

 先週11日、アブラハムが正式に業務停止6か月の行政処分を受けた。既存客の解約やフォローしかできなくなる。これで、同社のビジネスモデルは崩壊したと見ていい。幸い、顧客が投資したファンドにはまだ資金があるようだ。

 しかし、これから解約が相次ぐと思われ、いったいどれだけ投資資金が毀損するかはわからない。おそらくアブラハムの場合はあまりに目立ちすぎた。

 もっと小さい規模で、似たようなサービスを行っているところは数多い。一番多いのが香港HSBCを舞台にしたものだ。同社への講座を開設して、特定の金融商品へ投資を促すというツアーはこ故10年近く数多く行われていた。

 日本の将来の悲観話をこれでもかというほどセミナーで紹介し、だから皆さんの預金は没収されますよという手法だ。程度の差はあれどこも似たような切り口。そこで香港へ舞台を映しそこを起点に、資産設計をしようというものだ。

 参加者は若いサラリーマンやOLも多い。特定の金融商品というのが曲者で、その運用会社からバックマージンをもらうというのが主催者のビジネスモデル。HSBCの商品ではない。それは資金の引き落とし口座であり、運用会社は全くの別会社だ。

 その運用会社から主催者にバックマージンが支払われる仕組みだ。しかも、毎月積み立てコースを紹介することで主催者には定期的に収益が発生する仕組みだ。ほとんどアブラハムと同じ仕組みだ。ほとんどもぐりだろう。

 実は、数年前に香港を訪れた折、現地の日本人ガイドから偶然にもこの手のツアーのガイドをよく担当しているという話を聞いた。こちらが投資に関して少し詳しいことを知るや、自分もそれに勧誘されているがどう思うかという相談を受けた。

 毎月5万円の積み立てで老後はもうこれで安心という、一種の洗脳ツアーになっているとのことだった。毎回、バスの中は盛り上がって異様な空気に包まれるという。毎月、いくつものツアーが日本からきているということだった。

 HSBCも運用会社もまともであっても、それと予定通りの成果が上がるかは全く別問題で、その点、顧客に対しては意図的に不可能と思えるリターンを提示するところに業者の悪質性がある。

 参加者はほとんどが素人であり、それが不可能かどうかの判断基準がないため、それを鵜呑みにしてしまう。結果が出るのは数十年後で、その時になって初めて、こんなはずではなかったと気づく。

 だが、その時にはもう業者はいない。この手の業者があふれかえる時代となった。手を変え品を変え、ネットでもっともらしく勧誘する手法はおそらく増えることはあっても減ることはないだろう。

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