消費税と株価の関係を探る ②

 97年の消費増税に関しては、その後の日本の景気の落ち込みを招いたことで、今回も危惧する声は少なくない。だが、当時はアジア・ロシア経済危機という外的要因があり、国内も三洋・山一、長銀などの破たんが大きく作用した。

 日本経済はこれらを乗り越えることができず、また国内の金融危機へつながったことは、消費税よりも、銀行界の不良債権処理が全く進んでいなかったことが大きい。

 バブル崩壊以後、日本経済の根本的な病巣となっていた不良債権問題を先延ばしにしてきたツケが、消費増税とアジア・ロシア危機によって日本経済を襲ったわけだ。消費増税が根本原因ではなく、きっかけの一つにすぎなかった。

 結局、不良債権問題の抜本解決は03年まで続くことになる。00年のITバブルで株価は20000円台まで上昇したが、03年にかけて1万円を割り込んだのは消費増税が原因ではない。

 やはり、これも根底には不良債権問題への解決してなかったことがある。さすがに、03年には政府が強引に膿出しを図りようやく株価も底打ちした。

 08年以降のリーマンショックの際、またもや株価は1万円を割り込んできだが、これはまぎれもなく通貨引き下げ競争による日銀の無策によるものだった。株価とドル円の連動性から円高・株安時代が続いたわけである。

 では、来年からの消費増税の影響はどうか。

 すでに不良債権問題は解決し、はリーマンショックのダメージもほぼなくなった。為替も円安が進行し、株価・地価とも上向きとなっている。今後の米QE3の縮小でアジア経済懸念の声は多いが、それを受け止める体力もついてきている。  

 ただ、まだデフレ病からの病み上がり状態で、半年か1年先送りにしたほうが良かったが仕方がない。残された半年でも回復力を付けるしかない。

 その点、今回、東京五輪決定の効果は大きい。また、政界もねじれ状態が解消されており、政策決定と実行がスムーズに行われるという安倍政権への信頼感も
回復してきたもある。

 結論的には、多少の落ち込みはあっても来春8%への消費増税は乗り越えることができる。特に来年前半の株価は期待できる。16000円を越えると、18000円台は早いだろう。

 問題は再来年15年10月の10%への引き上げだ。おそらく、これは15年の3月末~4月頭に最終決定される。13年4月5日の異次元緩和からちょうど2年後だ。
すでに、日本においても量的緩和の縮小に動き出しているかもしれない。まだとしても、解除の議論が出ている時期だ。当然、上昇してきた株価は不安定になる。

 また、景気回復でデフレは脱却していても所得格差はますます広がっていることが予想される。景気回復の恩恵は大企業中心である。その中で、10%へ引き上げはかなり厳しい。

 もっとも、こちらはまだ延期の可能性もあり、今からあれこれ言っても仕方がない。言えることは、来春の8%分は乗り越えれても、10%への分は厳しいということだ。

 上昇トレンドで2万円台を回復した株価も、横ばいから2~3000円の調整は覚悟しておく必要はある。

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