消費増税決断でも第一優先はデフレ経済からの脱却

 アベノミクス第二幕が始まろうとしている。これまでの第一幕は出だしはよかったが、5月の株価急落以降、6月に成長戦略が公表されても市場は織り込み済みで、マーケットは次第に活気を失う流れとなった。

 次の焦点だった7月に参議院選挙では自民党が圧勝し、ねじれ状態が解消したが、株式市場は夏枯れモードへ突入。

 今年に入り買い越し基調を続け、さらに異次元緩和後に強烈な買いの手を入れてきた外人投資家も売り越しへ。平均株価は13000円台を維持してきたが内容はなく、マザーズやジャスダックなど新興市場は1部以上に内容は悪い。

 海外のQE3縮小懸念で新興国市場からの資金流出も相次いだ。それら国々の通貨安、株安といった外部環境も日本市場が冴えない動きの要因となった。

 そして、9月入り。材料豊富な秋相場の中、日本経済、日本株にとっては何と言っても10月頭に決定される消費増税問題が最大の関心。その前にはオリンピック誘致の最終決戦が控えていた。

 このオリンピックに関しては無事日本が射止め、いよいよ消費増税が目前に迫ってきた。安倍首相のブレーンの浜田・本田両内閣参与は予定通りの実施に反対しているが、多数の政治家と財務省、日銀が賛成に回っている。

 財務省はともかく、デフレ脱却の一翼を担っている黒田日銀が消費増税賛成の態度を表明しているのは、ちょっと意外感もある。黒田総裁が財務省出身ということよりも、5月の円債の急落(金利は上昇)が念頭にあることは間違いない。

 ここからまだまだ債券を買い増す予定の中、消費増税先送りで債券市場が再び大量に売り浴びせられることを恐れているためだ。仮に、海外のヘッジファンドらが売りってきても長続きすることはないのだが、一時的にしろ5月の悪夢が二度と起きることは許されないという黒田総裁の心情が透けて見える。

 ただ、安倍首相に消費増税を要求する代わりに、追加金融緩和を意識していることは間違いない。両者はデフレ脱却を目指す船の司令幹部であり、目的地に関しては全く共有されているためだ。

 消費増税に対し、数兆円規模の財政出動の対応ではしばらくして経済も息切れしかねない。15年デフレ経済から脱却するには、いずれ、日銀の追加金融緩和は避けられない選択である。

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