20年五輪開催地投票、過信禁物の東京リードと大国の思惑

 2020年のオリンピック開催地に関して、AP通信が東京が最有力候補と報じたことが話題となっている。16年のリオデジャネイロ五輪の準備遅れに悩むIOCが、「安心」を掲げる東京に有利だと分析している。そして、懸案の原発汚染水の流出の問題については不安材料と指摘しながら、「東京が僅差で先頭を走っていると結論づけているという。

  また、米国の五輪専門メディア「アラウンド・ザ・リングズ」による最新ランキングでは、東京が100点満点中「77点」でトップ。東京はこれで過去3回連続で1位となったが、今回は2位のマドリード(スペイン)との差は1点、3位のイスタンブール(トルコ)も2点差で大接戦になっているという。この他、英国のブックメーカーではどこも東京を本命にしているという。

 ただこれだけではまだわからない。本命国が逆転されたことはこれまで何度もある。仮に、一回目の投票で東京が一番でも、二回目に欧州票がマドリードに流れる可能性は十分ある。その点、実は、東京にも救いがある。それは米国の動きだ。今回米国は立候補していないが、彼らの動きは何度もカギを握ってきた。96年にアテネをひっくり返したのもアトランタであったし、12年に本命のパリを破ったのも、NYが落選して米国の支持票を回したロンドンだった。

 それだけ影響大きい米国は今回どこを支持するか。おそらく東京だろう。まず、スペインに関しては、積極的な支持の理由がない。イスタンブールは国内の政情不安とシリア問題がありなおさらだ。そのシリア問題に関して、英国は米国と共同での軍事作戦を見合わせるとしたが、仏国のオランド大統領は米国との連携に積極的だ。フランスは24年開催を狙っているから、今回はスペインとなっては困る事情もある。

 これら以上に、最大のポイントは東京・日本は米国の傀儡国家という点である。これは誰でも知っていることだが、その日本を何とか浮上させようとしているのが米国である。今年の流行語大賞を取るだろうアベノミクスも、原作、演出、スポンサーすべては米国である。唯一主演だけが安倍首相なだけ。テーマは「日本経済復活」である。つまり、米国の手のひらの中で演じられている政治ドラマなのだ。

 これは、まだ幕が上がったばかりであり、ここで終るわけにはいかない。本編はまだこれからである。ここで東京五輪が決定すれば、「日本経済復活」のテーマを後押しすることになる。つまり、米国とその家来の国たちは東京支持に回るという憶測が成り立つ。もちろん、そうなったとしても、オリンピックは欧州のものであり、スペインも相当に巻き返すだろう。

 9月7日に総会が行われるアルゼンチンはスペインが元宗主国である。考えてみれば南米はブラジルを除いてほとんどスペインが支配していた地域。中南米諸国で20票を持っている。何やら、今回の総会の場所選定すら政治力学が働いているようだ。こうして、何回かに分けて五輪開催地を見てきたが、スペインと東京はそれぞれ同じくらいの難点と利点を抱えていることがわかった。身びいきを含めて、流れ的には東京のような気がするが、スペインであったとしても、「やっつぱりそうか」と何ら意外感はない。

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