20年夏季五輪開催地決定で、東京がスペインに劣っている難題

 まず、大事なことは近代オリンピックは欧州のものであるということが大前提としてある。何より発祥の地がアテネであることが大きい。これまで1980年から01年7月まで20年以上に渡りIOCを支配してきたサマランチ会長はスペイン出身、後を引き継いだ現在のロゲ会長はベルギー出身である。

 そして、開催国決定を投票するIOC委員は111名。この中で欧州の委員は半数近い47名を占めている。欧州に近いイスタンブールがダメな場合は、スペインに流れてもなんら不思議でない世界だ。この中で、東京が割り込んでいくには相当な努力を要することがわかる。つまり政治力学そのものの世界だ。

 次に近年の開催地決定を見ると、どうやら以下の三つの要素がありそうだ。①複数回立候補、②勢いある新興国と先進国のバランス、そしてもう一つは、③同一地域の連続はない、ということ。これに沿うと、次回16年のブラジルのリオは②ということになる。20年の東京の立候補は連続2回目、対して、スペイン・マドリードは3回連続だ。またブラジルの後だけに東京・マドリード問題なさそうだ。

 では、東京に欠点はないのか。もし、この開催地の決定が1年前だったら間違いなくダメだっただろう。福島原発事故の記憶が生々しいためだ。話題が少なくなってきた矢先、ここにきて汚染水の問題が出始めた。この件は、日本より欧米のマスコミのほうが良く取り上げている。それだけ神経質な問題というわけだ。

 さらに、意外と盲点なのが来年14年にロシアのソチで開かれる冬季オリンピックが、その次の18年には韓国・平昌に決定していること。つまり、もし東京となれば、2018年韓国、2020年東京とアジアが続くことになる。欧州サイドがこれを容認するかどうか。規定では禁止ではないが、現実にそうしたケースはほとんどない。商業主義が強まっているオリンピックで、極東からの放映時間の問題もある。

 そのためか、夏季五輪と冬季五輪が2年おきに交互開催になって以降では、04年アテネ、06年トリノのケースだけ。だがこれは欧州だからこそ許された。はたして、極東の2国が連続して開催することが許されるのかかどうか。一次選考ではバクー、ローマ、ドーハを含めた6か国から、イスタンブールとマドリードという欧州側に近い2国を最終選考に残したのも、一つは押さえのためのスペアではないのかという気さえしてくる。

 不利な点をまとめると、東京は福島原発の影響と18年冬季五輪のアジア開催、スペインは経済問題と、欧州、南米、欧州という流れと2024年のパリ開催有力となる。ではスペインをフォローする欧州委員の多さという強みに対して、東京は正攻法以外はなす術がないのか。すべては水面下で進むきな臭い世界だけにあくまで推測の域を出ないが、ないわけではない。 つづく

コメントを残す

サブコンテンツ

カレンダー

2013年8月
    9月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

このページの先頭へ